数々のハンドクラフトバイクメーカーが存在しているアメリカ、ボストンでオーダーメイドを中心にフレームを作っている「Seven Cycles」。
オーダーをいただいた"Axiom SL Disc"をご紹介致します。
Features
・未知との遭遇
・五つの要素
・セブンのチタニウム技術&製造方法論
・What is Custom?
・Immaterial from SEVEN CYCLES
Sevenとはどんなブランドなのか、VimeoからFeaturesまで代理店であるSim-worksにて紹介されているものからピックアップしてみました。全て読みきるにはその量に少々骨が折れるかもしれませんが、全ての自転車乗りに通じる話も多く読む価値は十分あると思います。
そしてSevenに憧れを抱くカスタマーが一人、ついにオーダーを決心されました。
Seven独自のフィッティングフォームに合わせてデータや希望の仕様を伝え、出来上がってきたジオメトリーがこちら。
カスタムオーダーメイドの自転車は全てのジオメトリーを指定することが可能であることはひとつの特徴ではありますが、ハンドメイドフレームを手がける多くのメーカーやビルダーはそれぞれの思想を持ってジオメトリーを用意しています。
もしそれが自分の思い描いているものとかけ離れているということが無いのであれば、それに身を委ねることは「完成度の高い自転車」に最も近い選択であると思います。当然、全ての生産者は「こうするのがいいだろう」と考え抜いて提案してきているためです。
今回、第一回目に出来上がったジオメトリーでフィッティングとしては完璧でした。しかしながらお客様の好みとしてトップチューブのスローピング具合を緩くして欲しいという希望があり修正を行いました。
Sevenはスタンドオーバーハイトを気にして低めの設定でしたが、再フィッティングをしてスタンドオーバーハイトに問題が無い範囲で少しシートチューブ長を伸ばしました。それによってトップチューブのスローピング角度は8.6度から7.0度へとゆるやかになっています。
フィッティング、スタイルともに納得し、他の細かい仕様やオプションを指示した後に最終のサインオフ。それがSevenに送られてから1ヶ月と待たずにフレームが出来上がり納品されました。多少の納期の前後はあるにせよ、カスタムメイドのフレームがサインオフから約1ヶ月という短納期で納品されたことは驚愕でした。
ひとつ補足させていただくと、サインオフに至るジオメトリーや細かい仕様のやり取りについてはしっかりと慎重に行うことは大切だとSevenからも聞いています。
"今まさに、あなたがあなたのための自転車をデザインする時、その自転車が時と共にどのように変化をしていくのだろうかとセブンは想像します。今はレースに熱心になっているが、後にツーリングをしたくなるかもしれないし、もしかしたら他の土地へ引越しをして、慣れない砂利道を少しづつ開拓したいと思うようになるかもしれないでしょう。セブンはその変化に対する必要性を予期し、可能であるならばいつでもその適応性をそのデザインに組み込みたいと思っています。"
そう、今だけでなく乗り始めてから先の未来のことまで見据えてオーダーすることができれば理想だと思います。ただあまりにも先の事を考えると永遠にオーダーできなくなってしまうので、ほどほどの範囲で。笑
納品されたフレームは美しく、そして製造レベルの高さを感じさせる部分が随所に見受けられます。特にこのボトムブラケット部分は、他のブランドとは大きく異なるところであり、フレームの溶接が完成された後にBBのタッピングが行われます。そのためフレーム精度を要求される現行のアウトボードタイプのBBにとって最良の仕上がりであるといえます。
作業を進め、ヘッドセットを取り付けする前に気づいた部分。ヘッドチューブは真円ではなく少し楕円形状になっていました。ブレーキ等によって負荷の大きい前後には厚みを持たせ、サイドの部分は軽量化のために薄くなっています。
こういった部分からSevenが細部に渡りこだわりを持ち、"フレームチューブから作ってしまう"という凄さと情熱を感じることができます。
Seven cycles "Axiom SL Disc"
Seven’s Argen™ Double Butted 3-2.5 Titanium Tubeset / 1.41kg
Frame 535,000円~
Axiomにもスチールからチタン、カーボンハイブリッドまで段階が用意されています。こちらのSLはタイタニウムのフレームで、更にチューブの内側をダブルバテッドさせ軽量化を行ったフルタイタニウムの最高峰モデルです。
今回はディスクブレーキのロードバイクなのでヘッドチューブも44mmのものに。
ヘッドセットはお客様と共にとても悩んだ部分です。無難にブラックやシルバーにするべきか?と。元々レッドのChrisking R45discを持っていたので、それに合わせてレッドにするかとも候補に挙がりました。
その中でふと出てきたのがこの「パトリオット」。レッド、シルバー、ブルーの三色が合わさった少し特別感のあるカラーです。
ならば、ということでBBはブルーを選択。ヘッド、ハブ、BBと合わせてパトリオットのセットアップになりました。
チタンの無垢のカラーリングに対してとてもいいポイントカラーになったと思います。
・Thru-Axle Dropouts (142x12mm)
・Asymmetric Fastback Dropouts
・1” Chainstays
・Direct mount derailer hanger
・Slipstream Di2 Internal Wiring
オプション費用はかかってしまいましたが、最新スペックを盛り込み、後から後悔しない仕様で仕上げることができました。
決して安価なものではありませんが、所有した時に後悔することのないフレームであることは間違いありません。今回も予算の都合などで他のブランドなども色々と悩みに悩みまれましたが、「やっぱりあの時Sevenにしておけばよかった」、「もしSevenだったらどんなフレームだったんだろう」というような気持ちが後から絶対に出てくるだろうというSevenに対する憧れが最終的な決め手になったかと思います。
自分だけの最高の1台、特にこの「チタン」という錆びることのない素材は長く寄り添うことのできるフレームであることは間違いありません。"使い捨て"させる気は微塵も思うことはないでしょう。真の相棒となるであろうSevenのフレームは、予算をかけるだけの価値があることを多くのSevenユーザーが感じるところではないでしょうか。
ありがとうございました!
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