philwoodの哲学

哲学の目的は思考の論理的明晰化である。
哲学は学説ではなく、活動である。
哲学の仕事の本質は解明することにある。
哲学の成果は「哲学的命題」ではない。諸命題の明確化である。
思考は、そのままではいわば不透明でぼやけている。
哲学はそれを明晰にし、限界をはっきりさせねばならない。

— ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン、『論理哲学論考』
philwood OUTBOARD BB CUPS (Threaded BB)

先日のphilスポークのエントリーに続いて、ボトムブラケットも入荷してきました。

ひとつの完成形だと言ってもいいクリスキングのBBがありますが、
フィルのBBも異なったアプローチを経て完成を目指したひとつの到達点だと思います。

どちらも"好回転、高耐久"を目指したものなのは同じ。
どのような違いがあるのでしょうか。
19,800円(税別)

フィルの考えが一番に現れているのはこのモデルではないでしょうか。
ステンレスボディを採用したボトムブラケットです。

まず最初にひとこと伝えると、かなり重いです。ステンレス製で250gはありました。
下のアルミ製だとおよそ100gは軽くなりますが、
バイクを軽くしたいと願うライダーには不向きなBB。
ナゼそんなものがラインナップされているのか。

回転と耐久に"軽さ"という要素も合わせて考えられたのがCHRISKINGだと思います。
壊れることもまず聞かないBBではありますが、
「ベアリングの交換はNO」というのが彼らの回答です。

BBカップを薄く軽くしている分、ベアリングを引き抜いてしまうと
同じレベルでの再圧入は難しいということ。
圧入と取り外しは少なからず受け皿を消耗させていくということです。

0から100まで自分達で作り上げ、
製品にも5年のワランティーを設けるほど製品には自信を持ち、
「フレームが壊れてもBBは壊れない」という実話が出始めるというレベルです。
19,800円(税別)

そういったKINGとは異なったアプローチでPHILのBBは作られます。
ベアリングの消耗は絶対に起こるものだと考え、
ベアリングの交換を前提としてBBが作られています。

ベアリングまで自社生産しているKINGとは違うので、
ベアリングそのものに大きな期待はしていないのだと思います。

基本的にはコンタクトシールのベアリングが設定されており、
オーダーによって非接触タイプのベアリングを用意し、
用途によって好きなベアリングを使い分けれるようになっています。

もちろん、後からセラミックベアリングに交換していくことも可能だということです。
(ベアリングは6805サイズを使用している。)

その幾度かの圧入にも耐えるボディを作り上げることが
philwoodの導き出した"高耐久"の答えなのだと僕達は解釈しました。

以前GOKISOさんから
回転時にはベアリングを支えるボディの屈強さも大事だという話も聞いたことがあります。
それは彼らのハブをみれば明らかにそうなっているのでよく理解できました。

体重を目一杯受け止めるBBならば、もちろんBBシェルの変形も起こっていることだと思います。
重量もあり屈強なphilのボディならば、
その変形も小さく抑えられるのではないのでしょうか。

ベアリングの変形を抑えるということは、
回転のスムーズさ、結果としての長寿命に繋がってくるということです。
23,800円(税別)

難しい説明でチンプンカンプンかもしれませんが、
一言でいうと"めっちゃ頑丈"ということです。

それはシリアスな人にだけに求められることではなく、
メッセンジャーやアーバンライダーのように
毎日のように自転車を活用している人にこそ活きるアイテムです。

自分が乗ってる自転車、実は全然回ってないことに気づいていない人は多いです。 
このOUTBOARD BBは主にシマノ、ホローテックタイプ用に作られています。
SRAM GXPタイプも用意されているので、
ピストで人気のOMUNIUMクランクと合わせても超COOL。

実はこのBBはphilの送り出す"2nd Generation"。
第1世代よりもさらに高い汎用性を持つようになりました!

スペーサーが付いていて、
写真でもわかるようにJIS68mmからMTBタイプの73mmにも対応します。
スペーサーを噛ませたときにネジの掛かりが十分になるよう、
6mmのねじ山が追加され、全長も8mm伸びたそうです。
このスリーブまでアルミ製。
ここまで来ると、重さにはロマン的なものが詰まってるのかなとも思わずにはいられません。

別売のスリーブを用意することで、83mmや100mmといったBBサイズにも対応します。
この辺はKINGの新型ThreadFitと同じシステムですね。

他にもITAスレッドやその他多数の規格を持っているので、
良いBBが無いと悩まされている人には助け舟かも知れません。
気軽に仕入れるには少し勇気が要りましたが、
勇気を持って仕入れた甲斐があったパーツでした。
ギンギンに良さが伝わってきます。

もしバイクの重量が6.8kgを下回っていて重りを探している人にも良いかもしれません。笑
どうせ重くするなら重りを付けるよりも、
重いけど良質な回転のあるBBを取り付けた方がよほど賢いってもんです。

目先の軽さにこだわったショボいBBが多い世の中ですが、
ちゃんと分かってる人は居るって事ですね!

コメント

  1. philwood OUTBOARD BBのSRAM GXPタイプはsram red22 gxp crankを使用する事ができる?

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    1. 取り付け可能です!

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    2. ありがとう。そしてとても参考になった!

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