ネジ屋

「日本特殊螺旋工業株式会社」
昨今次々と生み出される特殊鋼を、従来の経験と
飽くなき探究心をもってボルトとして仕上げる。
私達は日本発のボルトメーカーとして世界中の
産業を、企業を、機械を、そして人を繋いでいきます。

今日はちょっと製造現場のお話。

「モノ」はどこで、どんな人たちが作っているのか。
それが見えてくると、モノの見え方がまた変わってくる。

お出迎えしてくれたのはチタンフレームで組まれたデモ車。
FOXのチタンフレームだとか。



至るところのボルトが換装されていました。

泥や水で錆やすいMTBという環境であれば、
チタンボルトで錆びないというメリットは十二分に助けてくれます。

そして、ボルトの1本1本はここから生まれます。

製造を担当する庄司さん。

彼らは自分たちの仕事に誇りを持ち、
"たかがネジ1本"に妥協なく製作に取り組みます。






削るためにはまず資材を掴まなければなりません。
いろんな形、大きさの旋盤用工具がありました。



開発の松山さん(左)と工場長(右)。

どこにどのように使えるネジが作れ、使用するメリットがあるのかを考える。
そうして生まれたアイデアを、
複雑な加工であっても巧みな技術で実現する工場長。





六角を打ち込む前のネジたち。
六角を打ち込んだのち、ネジ山を「転造」してきます。



多分、近所の人たちがこの工場で
一体どんなものが作られているのか知らない。

そんな小さな町工場。

「転造」を待つボルト。

そして転造機。


各ピッチに合わせた転造工具。

社長自身も作業に携わります。

1本ずつ手作業で転造機にかけていきます。

曰く、「ネジ屋であっても作ったネジをチェックする所は少ない」。

できあがったネジは、ちゃんとネジとして機能するのか確認します。
当たり前ですが、その当たり前のひと手間が製品の質を左右させるもの。

そして、ネジ山の転造が終わったら完成です。

その後は超音波洗浄器で脱脂され、
必要に応じて「陽極酸化処理」が施されます。

そして1本ずつパッキングされ、出荷されていきます。

+ + +

「継続」

大切なのは続けるということ。

時代は常に流れていき、必要とされるものも変わっていきます。

求められるものは何なのか、
それに対して作れるものはどんなものなのか。

いろんな人たちがアイデアを持ち出し、実現させる。
TRY and ERRORを繰り返し、完成させる。

できあがった「モノ」を見れば、伝わってくるものがあります。
作っている側の状況が見えてくると、
またモノの価値もまた変わって見えてきますよね。

新しいもの、今まであったもの。
どちらも大事にする。

モノ作りの現場は常に歩み続けます。

大型の工場から感じる、作り手の「これでいいかな」という妥協感。

そんな気持ちで良いものは作れないと思います。

「いいものを作りたい」

そういう気持ちがにじみ出る製品を彼らは生み出していると感じます。

コメント

  1. ネジって時間がかかるんですよね
    手間暇・・・・
    てまひまかかることはしません?!
    そういう自転車屋さんも多くなりました・・
    フルオーダのランドナー、スポルティフ型・・
    キャリアなんかの加工とか・・・

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  2. ねじ、ネジ、螺子、螺旋、東京でも大田区辺りにもたくさんのネジ屋さんがありますね!こうやって黒子のように裏舞台で光り輝く職人さんたちを尊敬します。

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