ENVE COMPOSITES 説明会に行ってきました。

こんばんは、高橋です。
水曜日は東京でENVEの販売店向け説明会が行われたので参加してきました。
今回の東京会場では本社スタッフも来日し、直接質問をぶつける機会も設けていただきとても楽しい説明会でした。
ENVE(エンヴィ)を知らない人はもういないのでは?と思うほど知名度は広がったと思います。多くの人が憧れているホイールでしょう。

アメリカのユタ州で作られているENVE製品はメイドインUSAということに誇りを持って作られています。しかし、それは単なる愛国心だけでなく製品開発のレスポンスという点でとても優れています。製造、組み立て、設計、R&D、テストラボ、カスタマーサポート、ビジネスチームという全てが同じ屋根の下にあることで、新しいアイディアは驚くほどの早さで製作しテストまで可能にしています。
確か約200人と言っていたと思うのですが、全てのスタッフはサイクリストであり、実際に走るテスターでもあります。自分たちで作っては議論し、ダメだったらまた新しいものを作りと良い循環ができあがっているように感じました。
既に知っている人にとってはおさらい的な説明にはなりますがちゃんと紹介していきたいと思います。

STRONG, LIGHT, STIFF, AND AERO

それがENVEのコンセプト。
自転車のパーツで言うと、どうしても数値上の軽さをこだわってしまう人は多くいます。数グラムでも軽いことを重視してしまう気持ちは誰もが通る道。ですが、自転車は思っている以上に複合的で、軽さを突き詰めることで失われるものもあるということを理解し始めたら「リアルサイクリスト」になる一歩目かもしれません。

まず最初に「STRONG」を並べる通り、エンヴィは壊れないということを最も大切にしているのだなと今回の説明会を通して理解することができました。
エンヴィといえばリム。

ほぼ全てのカーボンリムメーカーはカーボン成型後にドリルで穴を開けてスポークホールを用意します。対してエンヴィは成型の段階でツールを使い、カーボン繊維を切らないようにしてニップルホールも最初から成型して作ります。(そのニップルホール成型用のツールは結構な自信作っぽい印象でした。)

カーボン繊維をカットしていない分、頑丈な仕上がりとなり安心してホイールをビルディングすることができます。その分リムも薄くつくれるので、軽量化へも寄与しています。
今回見せてもらったカーボンの成型サンプル。違いはわかりますか?わからないですね。笑

同じカーボンを使って作られた板ですが、繊維の方向(向き、角度?)が違います。
片方は長方形に対して垂直にカーボン繊維が編まれたもので、もう一方は斜めに作られたものだそうです。
垂直な方を曲げてみると全く曲がらなかったところ、斜めの方は軽い力でも曲がりを見せました。カーボンの繊維の方向を変えるだけでも硬さに影響する、ということがとてもわかりやすいサンプルでした。

それにも続きがあって、垂直方向の板をねじってみると簡単にしなりました。対して斜めの板の方はねじり方向にはとても固くほとんど曲がりませんでした。カーボンはカーボンであることが大事なのではなく、「どこに、どう使うか」というのが大切だということがよくわかります。
カメラを向けたら陽気に応えてくれました。笑 (ピントがあってなくてすんません汗)
親しみやすい人柄でしたが、プロダクトの解説となると超真面目。今までエンヴィのハブはあまり興味を持っていなくてしっかりと調べていなかったのですが、今回彼の説明のおかげでとても欲しくなりました。

ハブの説明はココココでもわかりやすく説明しているので興味があれば是非読んでみてください。
(今話題の?)NTNのステンレスベアリングを使用しているとは把握しておりませんでした。
別注のカスタムもされているそうで、ハブの外側には接触シール、内側には非接触シールにすることで耐久性と回転性のバランスを取っているそうです。これは実物をバラして見たいという欲求に駆られます。

何故ステンレスかといえば、やはり性能と信頼のバランスだそうです。非接触シールのセラミックベアリングの方が回転が軽いかもしれないが、浸水や破損などのリスクは高くなります。多くの人にとってベターになるのがNTNに別注したステンレスベアリング、という結論だと思います。
PERFECT PRELOAD™

エンヴィのオリジナルのハブは、パーフェクトプリロードという構造になっています。それは玉当たり調整を必要としない設計で、調整の手間や煩わしさを排除しながら安定した性能を発揮させるためのもの。

これのシステムよって、フレームにホイールを取り付けた際にベアリングにかかる横からの負荷を軽減できる(ほぼかからない?)ため、ベアリングを傷めにくく長持ちさせることができたそうです。

• チューニングされたウェーブワッシャーが、遊びを排除するために重ねられたベアリングに同一の力を加え続けます
• フリクションを軽減することでベアリングの効率を高めます
• 市場で競合しているシステムと比較し、より長いベアリングの寿命を約束します
• ツールや調整器具の必要がありません
フリーボディは工具不要で抜くことができ、シマノ、SRAM XDR、カンパニョーロに対応しています。ちなみにボディはMAVICから技術提供されたアルミ製のボディで、アルミ製ながらスプロケットの食い込みに対してかなり強いという話でした。

ラチェット構造もMavicが開発したID360(Instant Drive 360)と呼ばれるDTやクリスキングと同様の面接触のラチェットシステムになっています。
そんでもって、エンヴィハブの一番の惚れポイントはハブの形状でした。
「仮想3クロス」という形状で、実際のスポークの組み方は2クロスなんですが、スポークの角度が3クロス相当になるという設計となっています。

一般的に24ホールで組む時、2クロスで組まれる場合が多いと思います。個人的なイメージですが、縦の突き上げが強い割に横にしなりやすい印象があるのが24ホールの2クロス。なのでよく3クロスで組むのですが、長らく使っているとハブと当たっている部分が折れたりするのも事実です。

それらのいいとこ取りをしたような設計がエンヴィの仮想3クロスかなと思います。3クロスと比較してスポークが短くできるのも利点です。
そして正面から見るとハブシェルが斜めにゆがんだような形状になっているのがわかりますか?リムに向けてスポークがなるべく垂直に近く収まるような形状になっています。
特にディープリムになるほどハブから出るスポークの角度が厳しくなるため、テンションのバラつきや首折れの原因になりますが、なるべくリムに向かって真っすぐ向く形状なのでしっかりとしたホイールに仕上がるように設計されています。

このアルミハブはコチラでも更に細かく紹介されているので、こちらもお時間あれば是非。

46,800円+税

実物を見るのは初めてだったのでじっくり見てみました。
幅広で荒れ地でもバイクコントロールがしやすいワイドなハンドルです。

Di2の内装にも対応してます。



フックレス形状のグラベルリムやMTB用のプロテクティブ・リム・ストリップなどの説明もしたかったのですが、少々長めになってしまったので今日はこの辺まで。

値段が高いことには理由がある、ということは間違いありません。
世の中には中身の伴わない高いものがあるのも事実ですが、良いものを作ろう/提供しようと思ったらコストがかかるのも事実だと思います。

ただ値段を見て「高い!」と敬遠するのではなく、その中身まで目を向けてみると違ってみえてくるかもしれません。
エンヴィは気軽に買える価格の製品ではないのですが、ちょっと頑張って買うことができれば大きな満足が得られる製品かなと思います。

エンヴィといっても種類が豊富で、ホイールとなれば組み方でも味付けが大きく変わります。なので、どれを買うべきかを僕らと相談しながら選んでいただければ幸いです。

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