快適性の探求

こんにちは、タカハシです。
WOLFTOOTH等で馴染みのある輸入代理店オルタナティブバイシクルズさんが、新作のサスペンション構造の"REDSHIFT"のシートポストを紹介されていたので今日は「快適性」とは何ぞやという話を少ししてみようかと思います。
"REDSHIFT"
(左)SHOCKSTOP SUSPENSION STEMS
(右)SHOCKSTOP SUSPENSION SEATPOSTS

こちらが例のシートポストと同社のサスペンションステム。
シートポストの方は35mmトラベルで、最大60%の衝撃吸収をしてくれるそうです。

自転車において快適性を決める箇所
「自転車を快適にしたい!」という気持ちを持っている人は多いと思いますが、それをどうやって実現するかは人によって最適な答えは異なるところです。

・フレーム
・フォーク
・ハンドル、ステム
・グリップ、バーテープ
・シートポスト
・サドル
・ホイール
・タイヤ、チューブ

人が自転車にのって「快適性」を感じる箇所をザッと挙げていくとこんな感じです。
それぞれの箇所でダンパーを入れたりクッションを入れることで振動を逃がし快適性を得ることができるのですが、それぞれの箇所でメリットデメリットは当然あります。

自分の乗り方、使い方をしっかりと考えた上で、どこで衝撃を逃がすと快適になるかを考えていくといいでしょう。それらを探求していくのも結構面白いかもしれません。
"MORGAW"
サスペンションサドル

サスペンション構造のステムやシートポストは割とメジャーですが、サドルにもそういったコンセプトのものが存在しています。
バイクの重さをあまり損なうことなくお尻への衝撃を和らげてくれます。しかしながらサドルの形状はお尻に合う/合わないが大きい箇所でもあるので使える人と使えない人がキッパリ分かれてくるかもしれません。

ホイール/タイヤ

タイヤを太くしてみるのはどうか。それも十分快適性を得ることに効果があります。太くなるほどタイヤのクッション性で路面の凸凹が気にならくなっていきます。あるいはホイール側のスポークパターンやテンションによって、縦の衝撃を和らげるようなこともできたりします。

当然、タイヤは太くなるほど重くなるので漕ぎだしの軽さは減っていきます。巡行スピードもやはり落ちてしまうかもしれません。速さを追求する人でなければ太いタイヤを使うというのは最も簡単に手にできる快適性かな、と思います。常に動く部分なので重さの変化を受けやすい箇所でもあります。


ハンドル/ステム/グリップ

ハンドル周辺は「快適性」を大きく感じる箇所のひとつです。スポーツバイクは手に体重がかかる人も多いので、手への衝撃は如実に感じていると思います。厚手のパッド入りグローブを使うといった人も多いです。

例えばサスペンションステムにして逃がすという方法はありますが、逆に動いて乗りにくいという声もあったりします。ハンドル周辺が動くのは慣れるまで時間が必要です。個人的にはブルベのような淡々と長時間を走るライドとの相性はとても良いと考えています。
カーボンハンドルやカーボンステムを使うことで微振動を軽減できたりしますが、シリアスなレーサーは硬さの好みでアルミハンドルしか使わない選手も多いです。

ハンドルやステムはしっかりと固定されたものにして、グリップを厚手にしたりすることでも十分「快適性」は高まります。パリルーベを走る選手がバーテープを2重に巻く姿を思い出します。
シートポスト

冒頭のREDSHIFTもそうですが、今日一番紹介したいところはシートポスト。誰でも簡単に導入することができて、走りにも大きく影響することなくお尻への突き上げを軽減してくれるのが嬉しいポイントです。
"eeSILK seatpost" by CANE CREEK
40,000円+税

<メーカー説明>
Cane CreekのeeSilkプレミアムサスペンションシートポストで、長距離、長時間のライドがさらに快適に。
295グラムのeeSilk Postは、20mmの垂直コンプライアンスを提供。
粗い路面でのコントロールを向上させ、長距離での疲労を軽減しながら、従来のアルミ製シートポストと同等の重量を実現しています。

直径は27.2mmのみですが、27.2mmより大きく31.8mmまでの実質的にあらゆる円形シートチューブに対応する豊富なサイズのシートポストシムを用意しています。

 
CANECREEKは以前からダンパー付きシートポストを作っていたのはご存知でしょうか?更にeeBrakeで有名になったeeCycleworksを傘下に加えたことによって、全体的に小ぶりになり、軽さも普通のシートポストから+50~100g程度の重量に収めています。

例えばTHOMSONのeliteシートポストが330mmで228g程度とされているので、そこから+70g程度で収めているのでかなり優秀だと思います。

シートポストタイプでにダンパー構造を入れることのデメリットは、まず重さが重くなることがひとつ。しかしながらeeSilkは比較的軽量なので、車重に大きく影響を及ぼさない重量。
そして何と言っても小ぶりなルックスはロードバイクに取り付けてもルックスを損なわないのでいいですね。

シリアスなレーサーは漕ぐパワーを逃がさないために、サドルやシートポストは硬く、しならないタイプを選択する傾向がありました。それ故スポーツバイクは「拷問器具か!」と言われてしまうような乗り心地の悪いものも多くありました。
最近では幅広い層の人が増えたので、一般の人でも快適に乗れるようなバイクが増えてきたように思います。

しなると言ってもeeSilkの稼働範囲はサスペンションポストの中ではかなり小さく、気持ちしなっているような小さなもの。
普段のライディングで意識しないような硬さがありながら、ちょっとした段差の衝撃はふわっと逃がしてくれる、まさに"シルキーな乗り味"という表現がマッチしているように思いました。
ダンパーの硬さは3種類付属し、体重や好みに合わせてソフト、ノーマル、ハードを選択することができます。交換もそれほど難しくありません。




ホイール、タイヤといった直接走りを左右する箇所、ハンドル周辺はしっかりしたもの、そういった選択の中でシートポストをサスペンション式にすることで衝撃を和らげ、腰やお尻への負担を軽減してくれるセットアップになりました。ご注文ありがとうございます!

前回のブログもそうですが、速さや軽さを極限まで追求する必要があるかと言われた時に、ない人の方が多いんですよね。
僕自身もレース以外で自転車に乗るシチュエーションが増えてきて、そういった一歩引いた自転車との付き合い方もよく理解できるようになってきました。

身体に優しく、無理せず自転車を楽しんでいけるのが最高ですね。それにしてもSEVENのフレームが格好良くて羨ましいです。笑

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