Rapha Prestige 若狭

たくさんの方から労いの言葉をいただきましてありがとうございました。
走ってきました「ラファプレステージ若狭」。

福井県三方郡美浜町をスタート/ゴールとした今回のプレステージも大自然と人との調和を感じさせる美しいレイアウト。スタート地点"三方五湖"から日本海の海岸線に始まり、森の中に入っていけば山(上り)やグラベルがあり、下った先の琵琶湖メタセコイヤ並木にしばしの癒しを感じたりしながら、そんなフルコースのライドを味わい、自転車を走らせる喜びに没頭した。

フルコースを1日で味わうには相応の時間が要る。朝は早い。しかしながら参加者たちは皆このプレステージが楽しみで仕方なく、そこに居る全ての人たちは良い表情をしている。このライドが楽しいものであることを知っている、あるいは感じ取っているのだろう。僕らは競い合いに来たのではなく、自転車で走ることを楽しむために来ているという共通認識がそこにはある。

ホリさんは以前"上勝"を走ったことがあって、僕は"新城"を走った。どちらかが店番という形を取っていたので、プレステージを一緒に走ったことはなかった。今回は関西から近く、参加しやすいとのことで大阪の界隈でも一気に話題になりホリさんから「出るか!」と声があがった。

声をあげたのは良いものの、「高橋さんいってきてや~」と消極的なコメントのホリさんに「言い出しっぺなんだからホリさんも走るべきや」と返し、少々見切り発車ながらも出ることが決まった。今回は店も閉めて2人で。急なことだったのでメンバーはどうしようか?となったが、実際には割とあっさりと揃った。こういったスムーズな流れは幸先が良い。

まず声をかけたのはコメさんで、ホリさんと同じく上勝に参加し、完走には至らなかったことからずっとリベンジの機会を伺っていたとのこと。次に、Tritonを納車した後に東京へ引っ越してしまったクボ君。拠点が東京なので厳しいかなと思っていたのだが即答で参加の返事。最後に岡山のアキオはSAUCE CXでも走っているメンバーであり、Sneeze Kitジャージも買ってくれている飄々としたヤングボーイ。彼もまた遠方であり、普段のレーサー的なライドとは全く異なるジャンルのイベントに興味を持つかはわからなかったが、彼もまた即答で参加の返事だった。

「足引っ張るかもしれんけど、、、」と少々不安げなホリさんに対してアキオは「そんなもん出るだけで勝ちみたいなもんですよ」とあっけらかんとした返事。それにホリさんも少し安心したようで、かなり決心もついた様子だった。

そして今回は皆がSAUCEの"Sneeze kit"を買ってくれていたこともあって、チームはMOVEMENTではなく「SAUCE CYCLE」として出ることに。おかげでRaphaの運営の面々から実業団チームと勘違いされてしまったようで、38チームある中で34番目のスタートという後方へと配置となった。スタートが遅くなってもチェックポイントでの足切り時間は後ろ倒ししてもらえないので基本的に後方スタートチームはしっかり走れるチームが多くなっている。

「楽しんだもん勝ち」とは言っても、やはり完走はしたいというのがメンバーみんなの気持ち。そこが唯一の共通点だったかもしれない。

年齢も20代、30代、40代と幅広く、乗ってる自転車も28cのロードから48cのグラベルロード(←これは自分のチョイスのせい)という具合。脚力も揃っているとは言えないチームだけど、色々なことが"揃っていない"ということが今回のチャレンジングだったように思う。

バイクが揃っていないことは、舗装路で細いタイヤと太いタイヤによるスピードの違いだけでなく、ロードではグラベルでのペースが上がらなかったりする。グループライドにおいてそれは集団を分断するだけの差が生まれやすく、置いて行かれる人間は焦りを感じ余計に疲労を味わい、先行してしまう人間は「まだか」とフラストレーションを溜めることもあるだろう。

しかし、これはPrestige。全員がひとつとなり、一緒にゴールすることが唯一とも言える条件である。気の知れた仲間と最高のロケーションを味わい、道中の様々な困難を皆で乗り越えてゴールを目指す。僕の語彙力では何がどう楽しいかを言葉で表すことは難しいが、只々面白い1日を送ることができるということは伝えておきたい。

今回はスタート時間が遅めであることや、グラベルが長いという情報、ホリさんの脚力などを考慮して「時間内に走り切ることができるのか」という不安があった。

事前に行ったプレステージに向けたライドで把握したペースから計算してみると、あまり悠長な休憩は取れないのではないかということになった。それをチームメンバーと共有して本番へと臨んだ。

休憩が多いと思っている以上に時間を食われてしまうから、必要最低限の休憩に留めてタイムを稼いでいくというプランを提案した。メンバーは皆それを受け入れ、ハンドルバーバッグカーゴビブにたくさんの補給食を詰めて僕らはスタートへと並んだ。



書けることならばもっと事細かに書いてしまいたい。けどいくら綴ったところで実際に走っていた僕らの中に有るものには遠く及ばないから、未だ参加したことのない人は是非参加して欲しい。僕もまた機会があるなら走りたい。それだけ魅力が止まらないPrestige。

坂でなかなかペースが上がらない堀さんの姿があれば誰かしらがプッシュしてアシストしてみたりとか、お互い補給食を出し合って交換してみたりとか、ペース配分は大丈夫かとか。ぶっ飛ばしたい気分の時もちょっと我慢してみたり、遅れがちのホリさんも腰がヤバイと言うくらいには頑張っていたり。大きく分けると3つあった坂のうち、先の2つはホリさんに対してみんなで物理的なアシストをしてみたけど、3つめは時間内ゴールはもう確実だと読めたのでホリさんの自力を見守ることにした。

僕らは実直に"時間内にゴールするぞ!"という意思のものチームはひとつとなり頑張って走り切った。その実直な頑張りは、イコール面白さであると僕は思っている。
皆の頑張りが実り、予想を遥かに上回る時間にゴールした。予想外過ぎて、完走すら危ういと思っていた僕らが2番手でゴールラインに到着したのはまさかすぎて笑いが出た。

それだったらもっとゆっくりと休憩だったり寄り道できたね~とは言うものの、メンバーも皆、残された3時間にも満たない時間は僕らが安心できるほど長くもないということは実感していた。そこは回数を経ていけばもっと"時間ギリギリまで楽しむ"というプレステージらしい遊び方ができるのかな。

また次も新しい景色を見ることができると思うと、参加せずにはいられない。

Special thanks "Rapha"

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