ENVE ALLOY DISC HUB ベアリング交換

お久しぶりです、タカハシです。
あっという間に今年も年末まであと1月ほどとなり、「あまりにも早すぎるっ!」と困惑しているところです。イベント参加がもっと増えれば濃い~日々を送れるのにな、なんて思っています。

「ブログ書くなら売れるモノを書け~~」という小言を言われながらも、今回もニッチすぎるメカニカルなお話です。何で書くかと言われれば、自分がもう一人いたら読みたいモノ(知りたいこと)は書いておかねばならないだろうという謎の使命感でしょうか。
今回はENVEのALLOY DISC HUBのベアリング交換です。

Front 38,280円 / Rear 54,780円 ※税込み,2021年時点
値段もCHRISKINGに迫るような良いお値段のハブですが、実際のところ負けないぐらいこだわって設計、製作されたハブだと思います。

ハブの設計やコンセプトの詳しいお話はダイアテックさんのジャーナルサイトを是非お読みいただければと思います。

1.ホイール剛性の向上(ホイールがブレーキパッドやフレームと接触しないこと)
2.ベアリング寿命と信頼性の向上(わずかに乗っただけで、ベアリングの動きが悪くなった)
3.メンテナンス頻度の低減(ハブの遊びを調整するツールが簡単に入手できないのは困る)
4.ノッチ数は多め(ペダルを漕いだらすぐにホイールにパワーを伝達させたい)

そういった要望を元に生まれたのがENVEのオリジナルハブ。僕も1セット使っていますが、トラブル知らずで気に入っています。

メンテナンス頻度が少なく済むということはとても良いことです。しかしながら、耐久性よりも、中毒的な軽快さを求めてしまう自分たちのような存在もおります。
CERAMIC SPEED "HUB-KIT ENVE-5 COATED"
99,000円(税込)

しばしば「スチール製ベアリングとセラミック製ベアリングとほとんど差はない」と言われていますが、"ほとんど"っていうのが肝だと思うところです。人によってはその差はどうでもいい些細な差、でも、いくらかはあるわけで。そのちょっとの差が大事だろ、チューニングは。1ワットでも抵抗を減らせるなら価値があるってもんです。
ENVE純正のベアリング。表と裏でシールの色が違っています。
NTN製で、スチールではなくステンレススチール製のベアリングで錆びにくく、ダストシールも外面のみ接触式シールにすることで耐久性を出しつつも少しでも回転を軽くするために内側は非接触シールにするというこだわりっぷり。好きです、こういうの。

でも、やっぱり接触シールは触っても乗っても抵抗感を感じるところ。
さよならします。
ENVEのハブは六角レンチによる調整などは必要なく、グリスアップのためにハブを開けることが可能です。シンプルな作りは=壊れにくさに繋がってきます。良いことです。

今回はベアリング交換なので工具を使います。よくあるハブのようにベアリングをプーラーで抜いて・・・
と思ったらフリーボディに蓋が!ベアリングの上に樹脂製のフタを被せつつ、専用の工具でロックされています。
ENVEの方では工具は用意されておらず、MAVIC規格のID360工具で開けれるとのこと。今後に備えて工具を新調しました!(何回出番があるか・・・?)
工具があればチョチョイのジョイ。
フリーボディの中のベアリングもプーラーで取り外します。

新しいベアリングを圧入して、他の部品も綺麗にしました。

ちなみにCERAMICSPEEDのベアリングにはRacingTaskのEVOLUTION.FORCERA-Greaseを入れました。

MAVIC ID360はDTでいうスターラチェット、CHRISKINGのRingdriveのように面接触するフリーギア。
ID360ラチェットのノッチ数は40で、耐久性、レスポンス、抵抗を最適なバランスで実現した数となっています。

ラチェットにはACORのバイクグリスを使っています。
フロントもベアリング交換。
そして全ての組み込みが完了です。
球当たり調整を必要としない「PERFECT PRELOAD」についても紹介したいところなのですが、今回はベアリング交換のお話だったのでまたの機会に。

"些細なことにも抜かりなく"
最高の製品とは「自分たちで使ってみてイライラしないものである」とENVEは伝えています。走りが悪くてもイライラするでしょうし、頻繁にメンテナンスが必要なのもイライラしたりすると思います。そう考えると、確かにそうだなって思いました。

僕自身もイメージしたような乗り心地が得られなかったりすると、走っててもずっとモヤモヤしてしまって純粋に楽しめなかったりします。
スカッと気持ちよく走りたい。ただそれだけのために、ちょっとした違いまでこだわりたい。そういう人は僕だけではないと思っています。

ベアリング交換等、メンテナンスやカスタマイズのご相談お待ちしております。

タカハシ

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