今年納車したエクタープロトンをご紹介です。
今回はT社のカーボンバイクから乗せ換えのご依頼でした。
オーダーの際に一言「今より走るバイクでお願いします」と。
アメリカのビッグブランドのハイエンドモデルに対してどこまでできるだろうか?
対してこちらはカイセイのパイプを使用して大阪でハンドメイドされた、
いわゆる純国産のフレーム。
実験データを積み重ねて作られてきた某カーボンフレームとは違い、
今まで沢山のオーダーをもとに
人の感性をフィードバックして作られてきたフレームです。
どちらが優れているのでしょうか。
その答えは間違いなく某社の方がスペックが高いと言えると思います。
今回組み上げて、仕方のないことですが車重も増加しています。
何も考えずにオーダーしたら間違いなくマスプロフレームに負けてしまう。
そこで大切なのは「乗り手にフィットさせる事」。
マスプロのフレームは不特定多数の人に向けて合うように作られたフレームであり、
"アナタ"のために作られたフレームではないということ。
硬さ、ハンドリングなど上手く合えば問題はないのですが、
乗り手の走りを100%引き出すかと言われるとそうでもないものです。
僕らは頭をフル稼働させて"その人のためのフレーム"を考えるのです。
長い目で見た用途、体重、踏む力、漕ぎ方などなど…
乗っている時をイメージしながら、
「ダウンチューブは太めにしよう」、「リアは柔らかめに」など
乗り手の扱いやライドレベルに合わせてパイプのアッセンブルを考えます。
細かい部分は最終的にビルダーの技量と経験に委ねられます。
その後フレームが納品され、組み付けを終えます。
出来上がったバイクには自信があります。
しかしながら、どう反応してもらえるかは十人十色。
少し緊張を感じながら、オーナーへとバイクを納車致します。
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後日、「最高!」とのコメントを頂くことができました。
アップダウンのあるルートを毎週の定期ライドとしているオーナー様ですが、
乗せ換え後の方がタイムも良かったとか。
翌日へのダメージも少なくなり、大変満足感が高いと評価を頂けました。
もちろん、重量的にはカーボンの方が当然軽いので、
漕ぎ出しや加速という俊敏な動きはそちらに軍配が上がります。
ですが、家から出て、家に帰ってくるまでトータルで考えた時に
「あっ、こっちの方がええやん」となってくれるのが良い所。
人車一体と言うべきなのか、
全てをひっくるめて最大限を引き出してくれるのが良いバイクかなと思います。
1台ずつ手作りで、同じものがない自分だけのバイク。
惹かれるもの、愛着、
それらは必ず湧いてくると信じています。
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