舞洲クリテリウム2016・秋

秋は夕暮れ。
夕日の差して山の端いと近うなりたるに、烏の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。
まいて雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。
日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。 
今年のロードもこのレースで終盤戦。「JBCF舞洲クリテリウム・タイムトライアル」でした。
土曜日には個人タイムトライアルが行われました。
個別で走りタイムを競うレース。選手としての独走力が問われるレースです。
ちなみに僕はこの部分は弱いのであまり出ていないタイプのレース。

E1、E2、E3の各カテゴリーに1名ずつがSAUCE DEVELOPMENTからエントリーしました。 
僕はその日はムーブメントで仕事をしておりましたが、なんと入賞の知らせが入ってきたではありませんか。
E3、3位 三上選手。
翌日の舞洲クリテリウムを控える中、E2カテゴリーへの昇格を決めました。
そのため翌日はE2カテゴリーの僕と同じ組を出走できることに。
この日最上位カテゴリーのE1では、表彰台常連の強豪選手を抑えながら比護選手が2位入賞。
最近の彼の平坦パワーには驚かされています。笑
シマノ鈴鹿5ステージでも身近にそのパワーを感じさせてくれました。

E2で出走した高校生の服平選手は15位でレースを終えました。
そして9/11日曜日、店としての地元大阪である舞洲クリテリウムにSAUCEメンバーも多く参加してシーズン終盤戦のレースに臨みました。
E1を走る比護選手、周回賞で賞金を獲得するなど積極的な走りをこの日も見せてくれました。
レースがどんな感じなのか、bikinTVの動画でE1カテゴリーを観ることができます。
お時間のある方は是非見てみて下さい。比護選手が映っています。

E1の次は僕の走るE2カテゴリーです。このクラスは2組あり、僕は1組目での出走でした。
チーム員の振り分けの妙で、1組目に3人、2組目に小嶋選手が1人という組み分けに。
更に前日の三上選手の昇格があり、1組目にSAUCEが4人も揃うという自体になりました。

「この機会を逃すわけにはいかない」と思い、同組の参加メンバーに作戦を数日前からやり取りを行い、チームとしての動きや目標を確認してレースに臨みました。

ということで、今日はちょっと自分のレースにフォーカスしてブログを書き進めてみます。
「レース」とは。

ただがむしゃらに練習して、がむしゃらにレースを走ればいい。
いいかもしれない、けどそういうものでもない。

イメージが湧くかはわかりませんが、練習や経験といったものを増やしていくことで自分の手持ちのピースを増やしていく。
そのピースを使っていかに優勝を目指すかというのが僕の持っているレースのイメージ。

それらのピースは一人で沢山持っている人もいれば、少ししか持っていない人もたくさんいる。
どちらかと言えば僕は後者の部類。
けれど、ピースの使い方は割りとわきまえている方だと思っている。
イメージとしては逆テトリス。とてもわかりにくい手書きの図ですいません。笑
めまぐるしい戦況の中でピースを上手に積み上げていかなければならない。
たまに1つの巨大なピースでレースを完結させてしまうような超強い人もいるわけですが、僕らは小さな積み重ねがどうしても必要。

今回は4人。だから4人分でピースを積み重ねることができる。
しかし意思の疎通ができていなければ、4人がバラバラの塔を立ててしまうことになる。それはただ勿体ないと思ってしまう。
E2カテゴリーという中級層の中でチーム戦術というのはプロの人たちから見ればオママゴトに過ぎない。
けどレースを楽しむことは誰にでも与えられたもの。チームプレイにチャレンジするのは僕達がチームとして集まるのだから当たり前の"楽しみ"のひとつだと思います。
東京から参加のストレッチマン佐藤選手。春の群馬で優勝してE2を走っています。
実は昔から実業団で走っていましたが、最近メキメキと頭角を現してきました。
前日のタイムトライアルで昇格してきた三上選手。
TTで入賞するだけあり、巡航力やアタックに乗る能力が高く各レースで観る人を盛り上げてくれます。
大分から参戦の服平選手。まだ17歳の高校生。レースで上を目指したいと足掻いている最中です。

その3名と僕の4名が今回のメンバーでした。
全25周回のレース。
作戦は主に僕が提案したものをメンバーは受け入れてくれました。

7周、14周、21周に賞金のもらえるポイント周回があります。順位には関係ありませんが、賞金がもらえるのでそれを狙った選手によりペースが上がります。

それを見越した作戦で、ポイント争いのあとに一息ついてペースが落ちる瞬間を狙ってペースを上げようというもの。
体力を使った選手に休む隙を与えず、ライバル達に対してダメージを与える作戦でした。

1回目のポイント周回、全体的に元気があります。
そこでは僕と佐藤選手が先頭に上がり集団のペースを落とさず牽きました。
2回目14周頃では三上選手、服平選手、佐藤選手らがペースメイクしてくれました。
僕は後ろに残ったまんまだったので、「皆すまん~~!!」と思いながら、乗り遅れた分は足の温存に務めて最後に備えていきました。

レースが終盤になるとポツポツと逃げが出来やすくレースが活性化していきます。
焦らず他のチームの選手も使いながら逃げを吸収していきますが、作戦が効いたのか集団のペースを上げれる人間がほとんど居なくなっている状況になってきました。

その中で松山城南高等学校の日野選手が単独で8秒差ほどの逃げ。
差がそこそこ大きい。三上選手の牽引で数名の飛び出しを吸収しながら最終周回へと突入していきました。

他チームは日野選手を見送り2位狙いにターゲットを変えてる様子でペースが上がりきらない。
こういった最終局面では判断の遅さが全てを左右してしまう。
予定よりも少し早いけれど、服平選手が後ろにいることを確認して最後のアタック。
追い風区間で56キロほどのスピードで飛び出し、服平選手と2人で抜け出ることに成功。
バックストレートの向かい風区間は僕が引き倒して先頭の日野との差を詰めていきました。

後ろを振り返るとめっちゃしんどそう。
だけど僕も出せる限りの力を振り絞って服平選手のポジションを優勝に引っ張り上げたい。
無酸素状態で身体に力が入らなくなっていくのを感じながら、最終コーナーで日野選手の目前まで迫った・・・だが向かい風区間で力を使い果たしてもう限界。
最後の直線、服平選手に託して自分の役割を終える。
ゴールスプリントでまくりにいった服平選手はゴール後にガッツポーズをみせる。
後ろからその姿をみて「勝ってくれた!」と思ったのですが、残念ながらビデオ判定では2位。

残念!
だけど、2位に入ることはできたので昇格対象。無事に服平選手をE1カテゴリーに上げることができました。
アタックが功を奏して後続との差が開いていたおかげでヘバりながらも僕も5位で雪崩れ込み入賞。ラッキーだ。
E2の2組目では小嶋選手が周回賞獲得。

E3倉田選手。積極的な展開に入りながら最後は9位。惜しかった~!

他E3メンバーもそれぞれ積極的な試みが見受けれらる走りでイイ感じでした。
チーム同士でモチベーションを高めあえていることを実感できた2016シーズンだと言って間違いないでしょう。

表彰式ではたくさんの人が声をかけて祝福してくれました!ありがとうございます!5位ですが歓声は1位でした。笑

実は春の舞洲クリテリウムでも5位入賞でした。
前列のセンターだから狙っているわけではないですよ!笑
同じ順位で悔しさもありますが、自分だけで自分のために走った5位よりも今回のチームのために走って手に入れた5位の方が価値が大きかったように思います。

手に入れた2位と5位という入賞は佐藤選手や三上選手のアシストもあってこそ。
優勝まで手が届かなかったのは残念でしたが、チームとしてのピースを合わせなければ手に入れるものはもっと少なかったように思います。

思うようにいかずに悔しかったメンバーもいますが、バネにして次につなげていってもらえたらいいなと思います。
応援に足を運んで下さった方々、応援のメッセージを送ってくれた方々、ありがとうございました。

残り数レースで今シーズンも終わりですが、引き続き応援よろしくお願いします!

photo thanks
NORI-san
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