ソロクライマー

こんにちは、高橋です。この週末はホリさんに店を任せ、僕はレースに行ってきました。
春の兆しで忙しくなり始める気配の中、負担をかけてしまうことに負い目を感じながらも「成さねばならぬことがある」(ってほど壮大でもないですが)って感じで単独遠征をしてきました。

【土曜日】
シクロクロス!と思わせておきながら午前中は大阪の堺浜でクリテリウムに参加。
カテゴリー上は一番上のエリート金太郎CUPというもので、大阪のコンチネンタルチーム「マトリックス パワータグ」の選手を始めとしたトレーニングレースです。
エントリー費も安く、家からも近いのでこの冬シーズンは頑張って参加しています。
前回はチームメイトをアシストして3位に送りこみつつ自分は7位。今回は10位。
前回よりも選手層が厚くなっている中で攻めの走りをするチャレンジが今回の課題。ちょっとだけ飛び出してみたりと初期段階の課題はひとまずクリアという感じ。
レースという実戦で自分がイメージした動きを出来るか出来ないかが大きなポイントです。
レースの後はケバブを食べながら友達の応援をしてきました。
いつもはレースが終わったら息も整わないうちから仕事に出勤へ向かうんですが、今回は休みをもらっていたので落ち着いて楽しむことができました。
この後に起こる予定外の出来事に遭うまでは・・・。

* * *
クリテリウムの後に家に帰り、昼飯を済ませ、徳島へ行く準備を整えてからシクロクロスバイクをピックアップしにムーブメントへ。
少しだけ仕事の手伝いと連絡のやり取りをした後に難波へ。
久しぶりの輪行で、更に今回は初めての「フェリー」です。

県外への遠征はしばらく誰かと一緒に行くことがほとんどでした。久しぶりの単独行。
船に乗ることへの馴染みも全くなかったので楽しみでありました。

一人で旅に出ること。寂しいと感じる人は多いかも知れません。心細いと感じる人も多いかも知れません。でも一人旅には一人旅の楽しさがあります。
あらゆるトラブルや段取りは全て自分の責任。「あ~、パンクしちゃった。誰か工具持ってない?」っていうのが通用しないのが単独の基本。
そういったリスクコントロールや、見知らぬ土地へと踏み入れる勇気、食べ物や水の問題などなど緊張感があってドキドキします。
胸が高鳴るといえばポジティブな表現ですが、その実態のほとんどは恐怖かな~と思っています。
自分的輪行のポイント。
フレームとホイールの接触部分にタオルを巻いて傷を防止すること。あとはなるべく動きにくくすることが大事。
輪行で傷が入ることはほとんどがフレームとホイールの接触によるものだと思います。
東京という人ごみの中で育ったので、電車に乗るのも一苦労でした。
そのため輪行は極力かさばらず、人に邪魔になりにくい縦置きのタイプが好みです。
昔は慎重にやって30分近くかかっていた輪行ですが、要点を抑えるだけの方法にしてから10分程度で済むようになりました。輪行のパッキングだけでも意外と体力を使うので時間の短縮は大きなメリットです。
最近は輪行袋に付属のナイロンベルトを使わずビニール紐を小分けにしたものを使って結んでいます。
捨てるのも使い道も自由で、とにかく重量が軽くかさばらない。見た目はちょっと格好良くはないですが強度も十分で良い感じです。
できることなら輪行袋もヘビーユースするわけではないので、超軽量のタイプが欲しいなと思う今日この頃です。

ちなみに、ナイロンベルトを何本か無くしたのはここだけの話です。
輪行袋は生地が強くて定評のあるオーストリッチを使っています。
パッキングも完了して南海フェリーのチケットも無事購入!
と思ったら時既に遅し、徳島のシオカゼストアの営業時間中に着くためのフェリーにもう間に合わないことが発覚したのでした。
完全に自分の勘違いで和歌山港に着くまでの時間と間違えて認識していたのでした。
大幅な遅刻が確定しました(汗)

南海フェリーは難波からの特急電車サザンの料金も含めて2000円ポッキリのお徳券です。
これは今後活用していきたいルートです。
フェリーの時間には間に合わないけれど、和歌山港のひとつ手前の和歌山市駅までの電車は何本か出ていたのでそれに乗り込みいざ和歌山へ。ちょっと観光も兼ねて駅を出て輪行を解除してその辺りをプラプラしつつ和歌山港を目指しました。
和歌山市の駅から近く、和歌山城があるらしく足を伸ばしてみました。
どこからお城が良く見えるのかわからず、あまりブラブラしすぎても疲れてしまうのでとりあえず大きな鳥居だけ記念に撮影。。
和歌山県、県庁。
和歌山県庁の辺りを走っていると初めて見る信号がありました。
薄型でスリム化された信号機が珍しくて写真を1枚。(実際には5枚ほど撮りました)
夕暮れ時が綺麗でした。
フェリー乗り場に無事到着。出航まで1時間半はあったので海岸線まで出て夕日を眺めてきました。
とりあえず初めてのフェリーなので時間に余裕を持って和歌山港で待機。自転車の持ち込みは通常700円となっていますが、輪行で手荷物で持って入る場合は無料といった感じでした。徳島港に着いたらシオカゼストアのゴリが車で迎えに来てくれる予定で、そのまま積み込めるように再びパッキングしたのでした。
時計は18時前を指していますが、出航は19時15分。

しかしまぁ至る所にこの萌えキャラ(?)の押しっぷりがすごいです。サイズ感が分かるようにバイクと並べてみました。
時間的にも十二分に余裕があり、小腹も空いてきたので和歌山港で親子丼を食べました。
セットで頼んだコーヒーが300円→110円と非常にお得な価格でした。

時間が近づきフェリーが到着。いよいよ乗り込んでいきます。
例のキャラクターが船上のいたる所でも現れます。ツイッターで聞いた話、一部では有名なキャラクターみたいです。

船内は色々なタイプの客間(?)がありました。椅子のタイプや机があるタイプ、グリーン車的な個室タイプ、その中で一番くつろげそうな雑魚寝できるスペースを選びました。
船内ではWI-FIも飛んでいて自由に使えるらしいのですが、あまり接続が良くなくて結局ケータイの電波を頼る形に。でも海の上でもケータイの電波が届くのってすごいなと思った次第でした。この辺りはロードバイクで山に走りに行った時の方が圏外である確率が高いので驚きでした。

約2時間ほど船にゆられて徳島港に無事到着しました。
シオカゼストアのゴリに連絡を入れると、すぐに迎えに来てくれました。

さっき何か食べてなかったか?というツッコミは置いておき、二人でラーメンを食べに行きました。徳島ラーメンといえばバラ肉が乗ったラーメン。
ゴリも初めての店と言っていましたがおいしかったので一瞬でペロリと食べ終わりました。

その後、ゴリの家にステイさせてもらい自転車関連についてあーだこーだと話しながら眠りにつきました。同世代の自転車屋店員とこうやって話ができるのは非常に有意義、と思いたい。

【日曜日】

僕とゴリと二人とも朝がめちゃくちゃ弱いという事前情報を確認した上で就寝し、お互い寝坊することなく5時起きでレース会場へと向かいました。僕は見慣れない徳島の景色を解説してもらいながらレース会場まで1時間半ほどで到着。

さてここからが本番!
手順よく準備を済ませて早めにスターティンググリッドに並ぶシオストスタッフとその仲間たち。今回はC4だけとのことでしたが、地元だけあって皆さんそれぞれモチベーションが高い。特にゴリの緊張っぷりがスゴイ!笑
※解説が遅くなりましたが一番ゴリっぽいのがゴリです。

緊張を跳ね除けるように、某腰山選手リスペクトのシングルスピードバイクを駆ってホールショットを決めるゴリ。徳島で一番持っている男かもしれない。それが何かは知らない。

ホールショットからずっとトップを走るゴリ、後続を突き放していきます。
そこにシオカゼストアの店長である古川さんが追いつき合流。シオストのワンツーランデブーが始まります。この展開は予想していなかっただけに非常に盛り上がりました!

内なる戦いの話はシオストブログでも既にアップされているので是非チェック。

テクニックのあるゴリはコーナー等でのスピードが速く、対して古川さんは平坦や舗装路でギア付きという面もあり有利な展開。



後ろを走っている古川さんのほうが余裕の表情。CIELOのクロスレーサーの限定カラーが羨ましいです。

そして3周目(全5周)でついに順位逆転!後ろのゴリはかなり険しい表情。粘れるか!?

少し差が開き始めるがゴールはラスト1周。見えている範囲、もしミスがあればひっくり返る順位。後ろのゴリは焦りながらも諦めず追走をしていく。。

最後に先頭で現れたのは店長の古川さん!
やはり年の功というか、店長という人間の重みなのか、体力だけでなく心理戦も含めて戦いを制した戦いでした。

悔しさに吼えながらゴールするゴリ。この日、一番盛り上げてくれたのは君に違いない。

ゴール後にはお互いのワンツーと健闘を称える2人。ベタだけどレースが白熱しただけに観ていたこちら側もちょっと感動できる瞬間でした。

おめでとうございます!!2人揃ってC3に昇格を決めました!!

二人の活躍の感傷に浸っている余裕はありません。次は僕が走らなければいけない番!
シオカゼストアxMOVEMENT。この日は東海クロスや他でもシクロクロスのレースはありましたが、シオストの面々がこの大会に向けて気合が入っているのを知っていたので僕はここに来たかったのです。
そして白熱のレースを見せられ、僕も燃えます。けどそれ以上に彼らがやたらとプレッシャーをかけてくるので大変でした。笑

人数が少なかったのでC1とC2と混走のレースになりました。
その中でC2は10名。僕の残留パーセントは66%以上が必要なので、1~6位まで。一人の順位の重みがめちゃくちゃデカい・・・・。

更に10人中5人がまだ残留が決まっていない面々だったようで、他のカテゴリーがわきあいあいとしている中で、C2のメンバーだけは特に殺気立っていました。笑
表面上ではお互い笑いあっているものの、昇格もしたい人もいれば残留に必死な人もいる。誰もが負けるわけにはいかない仁義なき戦いが繰り広げられていきました。

スタートはC2で6番手ぐらいのスタートとなり少し焦るが、先頭まで見える範囲で離されないペースだったので少し気持ちを落ち着かせる。
人数が少ないから、抜いていくポイントはたくさんある。あとはワンミスが命取りになるので、ミスしないように慎重にレースを運んでいきました。

周りのミスをうまくパスしながら、じわりじわりと順位を上げていき2、3位のパックに追いつきました。先頭はさらに10秒くらい先。
そのパックの2名は体格も良くパワフルさを感じる。強敵である。

うち1名はチーム岡山で面識のあるFさんで気迫溢れる走りが特徴的な方でガンガンと攻めていく。それに着いていく分には問題なく、終盤まで後ろから煽って最後に抜いていく作戦も考えたけれど、それは僕の人間性が許さず真っ向勝負を挑む。
Fさんが少し直線で緩めたタイミングで踏んでいき、2位浮上。表彰台が迫る。

先頭の選手もかなり近づいてきていて、優勝までチラつき始める。あと何周かはわからないけど、とりあえずエンジンは全開に。
応援も熱が入りガンガン攻めていったのだけれど、自分の腕がパンパンでバイクコントロールが落ち着かなくなってくる。
直線では他2名に分があって突き放し切れず、ラスト2周を残してパスされてしまった。

あとはペースを極力崩さず、前の人らがミスしてくれないかとチャンスを望みながら走るが順位の変動はなし。そのまま4位でゴールとなりました。

トップから27秒差、、、表彰台は逃したけど出し切ったので満足できたレースとなりました。とりあえず残留は取れたので一安心!
このブログを書いている今日は腕が筋肉痛でフィジカルの弱さを痛感します。足とか腰はまぁまぁ耐えれるんですけどね。来季の課題かな!

それぞれ目標を達成した3人で記念撮影。全員クロモリフレーム!

レース後はパパっと退散して徳島はシオカゼストアに集合して終わりの雑談。
二人の祝勝会はまた後日というお話で、僕はゴリとソウルフードを食べに出かけました。

「一福」
食べれば風邪もひと治りとの話もある程のオススメ店。こちらも美味しくて一瞬でペロンチョでした。

徳島に着いてからは彼がずっと面倒をみてくれて、最後は徳島港までの送迎まで。
一人で会場まで輪行参戦も考えたけど、人と一緒に行動するのもやっぱり楽しいわけで。
今回のツアーは一人旅とみんなの遠征の楽しいところを良いとこ取りしすぎちゃったかも知れない!

帰りは少しだけ慣れた感じでフェリーに乗船。レースの疲れもあって流石にぐったりでした。笑
フェリーの中で誰か知らない人にスニーカーを履かれて紛失しかけるというハプニングもありました。爆

そして22時過ぎに堺駅まで帰ってきました。ここから自走にて無事帰宅。
自走のためにレース後に空気を入れなおすべきだったことを思い出したので、次は忘れないようにしなければ。

「輪行は大変」ってイメージが強いんですが、たくさんやって慣れれば慣れるほど楽になってきます。
今回は一人でなるべく気軽に動けるように、荷物も最小限にまとめたのでそこまで苦労はせずに済みました。工具類も六角レンチ、ドライバー、ケーブルカッター等と必要最小限にて。タイヤはリム打ちパンクリスクの少ないチューブラーで、持ち物はシーラント材。
 という感じで行きのフェリー乗り遅れのミス以外はスムーズかつ濃密な2日間を過ごすことができました。休みをもらえて良かったと言える2日間でした。

小売業という職業柄、なかなか週末に2連休という休みを取ることは難しいのですが、一般的な社会人であれば毎週のようにこれだけ楽しめるんだな~と思うとちょっとだけ羨ましく思います。
まぁこれだけ僕が楽しめるのも「自転車」あっての2日間。
皆のこういった自転車の楽しみを支えるのも自分である。自らが体験することで自分の仕事のやりがいを再確認できたのでした。

さて、これにてようやく寒さに震えたシクロクロスは終わり、お待ちかねのロードシーズンがやってきます。今年の自分は去年よりも強い!(という気がするのでご期待下さい)

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