Tomii Cycles "Team stampede cycling"

朝6時。
朝日を背景にして、完成したばかりの自転車を写真に収める。
徐々にイベント参加にも慣れてきたお客さんたちと手際よく用意を済ませ、
そのままレース会場へと向かった。 
突貫工事で組み上げた割にはノートラブルで2レースを走りきることができた。

ぶっつけ本番のレースのくせに気持ちよく走り、曲がる。
今日始めて乗ったバイクとは思えない馴染み方を見せてくれた。

どちらかといえば、身体が悲鳴をあげてしまい
2レース目の最後15分間はまったく力が入らなくなってしまったのが心残りだった。
ヘッドは圧入して、必要な分を残してコラムカット。
いわゆる余分な分の残らない"全切り"という切り方で潔く切ってしまう。
このフレームはフルオーダー。
できる範囲で限界まで短くしてもらったから、"ハンドル上げるかも"は要らない。
ステムの上にスペーサーが残っているのだが、
それはあくまでステムの固定力を最大限に出すための処置に過ぎず、
本来カーボンフォークは上にスペーサー5mmというのが基本となっている。
用意できているパーツから取り付けていく。
AVIDやTRPと迷った挙句、フレームの雰囲気を崩さなかったシマノに落ち着いたブレーキ。
メンテナンスが一瞬で済むからすごく良い。
最初からギア比は46x39または46x38にしたいと思っていて、
ギリギリまでクランクと合わせて悩み続けていた。
似合うカッコいいクランクかつ、欲しいギア比の用意できるもの。

昨シーズンまで46x36というギアを使っていたのだけれど、
36が軽くてリアはトップ側寄りを使うことが多くなっていた。
そうするとチェーンは弛みがちになってしまうので、
バイクを担いでいる時にチェーンが落ちてしまうことがあった。
メカトラで失うタイムは重い。

そして今回最大の味噌となるのが"GEVENALLE"。
ダブルレバーをブレーキレバーにつけてしまおう!
という感じのコンポーネントで、安価かつ軽量にも仕上がり、汎用性も自分次第。
いわゆるデュアルコントロールレバーはどうしても重く、高価になってしまうのだ。
周りからは圧倒的に後者(STI)の方が使いやすいとの声がある中、
フレームの雰囲気には合うと思ったし、
一度使ってみたいという探究心からコレ以外は正直使う気は起きなかった。

納期がギリギリであることが分かって、
もしかしたらバイクが組み上がらないかもと脳裏をよぎる。
それは本当に直前まで続いて、レース前日の土曜日の夕方になっても来ていなかった。
輸入している代理店の方から連絡があり、「国内には届いて、郵便局までは来ている」と。

ああ、明日の配送されても間に合わないな~・・・
諦めようと思った最中、その代理店の方は郵便局に問い合わせ
荷物を引き取り、その足でお店まで届けてくれたではありませんか!
この感謝の気持ちはC1昇格という形で現せたらいいな、と、思います。 
GEVENALLEを受け取って、閉店間際の時間から作業開始。
WTBの新しいチューブレスタイヤもインストールして、
ワイヤーを通し、チェーンを繋いでいく。

ブレーキと変速のセッティングをし終えてほっと一息ついた頃には0時を過ぎていた。
家に帰って軽くご飯を食べて、最後のバーテープ巻きを終わらせれば午前2時。
風呂を済ませてレースの荷物をまとめ午前3時。
1時間半ほどの就寝をすればもう出発の時間となっていた。

そして半分寝たままの頭で冒頭の1枚を撮る。

今回がプロローグ(前哨戦)で良かった。
あまりの準備不足さに不安と緊張が強く走ってしまったけれど、
走り始めたらいつもの感じで身体は動いてくれた。

シクロクロスシーズンは開幕だ。

  
  





と、今回のバイクが完成するまでの内容を物語風につづってみました。

フレームは「Tomii Cycles
テキサス州オースティンに住む日本人ビルダーのフレームです。
ペイントは現地のスタンピードサイクリングというチームの人たちと同じものにしてくれ、
まだ誰にも会ったことはないけれど、
国境を越えたチームメイトと繋がる何かを感じさせてくれます。

細部まで詳細しきれてないのが心残りなので、
よかったら見かけた際にはぜひ一声かけて下さい!

パーツやフレームの使用感は正直まだ1日乗っただけで把握しきれてないので、
それはこれから徐々にということで。

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